東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 設立趣意書会則
東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 The Society of Urological Disease at Tokyo Women's Medical University
■ 2008年度年報
ホーム1.はじめに2.医局構成・新入局員紹介3.東京女子医科大学腎センター泌尿器科および関連病院入院・外来・手術統計4.東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2009年度の目標5.関連および協力施設 活動報告・2009年度の目標6.業績目録7.あとがき

4. 東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2009年度の目標 >> 女性泌尿器科部門

女性泌尿器科部門 活動報告・2009年度の目標

今年の抱負を述べる前に、昨年の年報での目標達成度を振り返ってみようと思う。昨年は教育体制の充実、透視下のプレッシャーフロー、女性泌尿器科医の増員の3つの目標をあげた。教育体制の充実に関しては田邉教授の働きかけもあり、毎週火曜日の朝NBカンファとして外来カンファ終了後に主にウロダイを行った症例や、興味深い症例を1例ずつ程度供覧している。透視下のプレッシャーフロースタディは新しい器械を購入していただき、昨年11月より実際に施行可能となった。当初より男性症例は行っていたが、女性用の排尿台がなかったため女性症例は放射線科の技師さんが手作りしてくれた台で試行錯誤で行っていたが、先日女性用の排尿台の素晴らしいものが設置された。これにより男性、女性ともにプレッシャーフローが行えるようになった。当初はカテーテルの排尿中の抜去に悩んでいたが、最近は手技(固定)が安定してきて最後まで測定できるようになってきている。現在小児、移植関連も含めて透視下ウロダイは平均月18件程度行っている。女性泌尿器科医の増員については、2人も女性の入局者を得ることができた。久しぶりの女性医師入局であり、迎える側としても身が引き締まる思いである。臨床修練医も1名女性医師にきていただけることとなり、彼女たちが希望を持って未来に進めるよう、我々としてもしっかりした仕事をしていきたい。

院内でも外来、病棟ともに排尿機能に興味のあるコメディカルが増えてきているのを実感する。今後女性のみならず、男性の排尿障害症例が増えてくることも予想され、どのような形になるかは未定だが、ある程度コメディカルに任せる部分を作り、お互いをサポートし、尊重し合えるような関係になるとよいと思う。病棟の川井看護師はWOCの資格を取ったのみならず、エキスパートナースの試験にも合格した。(祝)彼女の活躍にも期待したい。

さて、今年の目標であるが引き続き教育体制の充実をあげたい。やはり泌尿器科専門医試験でも排尿機能関連の問題が大きなウエイトを占めること、一般病院での外来では排尿障害関連の患者が大部分をしめることなどがあり、泌尿器科医にとって、排尿機能の正確な理解は不可欠な知識であろう。自分一人で外来をやる状態にいつなっても、問診、検査、診断、治療のプランが的確な知識に基づいて立てられることが大切である。そのためにも、もちろん自己学習は必須であるが、カンファなどで排尿機能が話題にでることが知識の底上げにつながると考える。現在のNBカンファは症例の供覧のみであるが、将来的にはここに、文献的な考察などを付け加えて厚みのあるカンファにしていきたいと考えている。

第2の目標として院内での排尿機能ネットワークの構築をあげたい。整形外科、脳外科、神経内科、糖尿病内科、婦人科など神経因性膀胱による排尿障害を来す疾患のある科は多岐にわたる。現在は他科依頼担当医や初診担当医として移植担当医や腫瘍担当医が排尿障害の患者を受けることも多く、患者によっては必ずしも効率の良い検査や治療が行えていない可能性がある。それらの患者に排尿機能医がはじめから関わる、場合によってはコメディカルのレベルで発見し、適切に治療管理していくことで患者にとっての利益は計り知れないものになると考える。壮大な計画であるが、その第一歩としてコメディカル(院内のWOCナース達)と連携し、患者が来るのを待つのではなく、こちらから積極的に関わっていけるようなシステム作りを考えている。

第3の目標としてはやはり女性泌尿器科医の育成である。新規入局者、女性臨床修練医をむかえ、彼女達の教育はもちろんのことであるが、将来の女性泌尿器科医となる女子医大の学生さん達に「魅力的な科だ」「将来ここでこの先生達と一緒に働きたい」「こんな先生に私もなりたい」と思ってもらえるような雰囲気にしたい。確かに病院の勤務医は精神的にも肉体的にも過酷な仕事であるが、得られるものもまたたくさんあることも事実である。この科の魅力を伝えきれるように、努力していきたい。

最後は昨年と同様であるが、女子医大排尿機能班がメジャーになれる日のためにがんばります。皆様方のご声援をお願い申し上げます。
家後理枝・鈴木万里・小内友紀子

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