東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 設立趣意書会則
東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 The Society of Urological Disease at Tokyo Women's Medical University
■ 2009年度年報
ホーム1.はじめに2.医局構成・新入局員紹介3.東京女子医科大学腎センター泌尿器科および関連病院入院・外来・手術統計4.東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2010年度の目標5.関連および協力施設 活動報告・2010年度の目標6.業績目録7.あとがき

5. 関連および協力施設 活動報告・2010年度の目標 >> 東京女子医科大学東医療センター泌尿器科

東京女子医科大学東医療センター泌尿器科 活動報告

本年の最も大きな変化は4月に合谷准教授が本院から配転となり、スタッフの充実が図られたことである。合谷准教授には日暮里クリニックと血液浄化室をおもに担当してもらうとともに、TUR等泌尿器科内視鏡手術において若手を指導してもらっている。その結果、2009年のTUR-Pは54例と例年より10数例増加し、TUR-Btも80件と前年度よりさらに増加し、経尿道的手術は158例と目標の150例を達成した。東医療センターにおいては従来から、伊藤講師が腎尿路悪性腫瘍、腹腔鏡手術、巴講師が女性泌尿器疾患、排尿機能を中心に診療、研究を行ってきたが、今後、経尿道的治療が加わり診療内容がさらに充実するものと期待される。

2009年の診療実績は外来患者数(60-65人/日),入院患者数(のべ566名),手術件数(430件),であり、前年と比較して入院患者数、手術件数とも増加している。現在泌尿器科の稼働ベッド数は15-17床であり、平均入院日数が8-9日であることからフルに活動しているものと思われる。2009年は比較的人事異動が少なく、実務を担当する鈴木助教、金光助教が長期に在籍し、安定した診療体制がとられたことが要因と考えられる。

2009年の入院、手術の疾患構成は例年と同様である。腎尿路腫瘍、女性泌尿器疾患、前立腺疾患、透析のブラッドアクセス関連、の手術が多数を占めている。腎上部尿路腫瘍は腎腫瘍61例、腎盂尿管腫瘍12例、の計73例と前年より腎癌症例が増加し、腹腔鏡下腎摘除術44例、腹腔鏡下腎温存手術も10例行われた。腹腔鏡手術に関しては目標の年間50例が達成され、鈴木助教がEE学会の技術認定医を取得した。関連施設から塩見、津嶋両君に参加してもらっており、今後も年1名の認定医の養成を行っていく予定である。前立腺全摘除術は目標に到達しておらず、今後の課題である。女性泌尿器疾患の総数は前年よりやや減少しているが、尿失禁、膀胱瘤の手術がコンスタントに行われた。本年は停留精巣や精巣捻転など精巣固定術が比較的多く行われ、今後も小児泌尿器疾患の窓口を維持したい。

この数年、症例数が安定してきており、従来の排尿機能関係や腎癌関係以外にもそれぞれの疾患に関する臨床データが蓄積されてきた。地域柄、進行性膀胱癌や前立腺癌の症例も多く、手術適応外の尿路上皮癌やホルモン不応性前立腺癌に対する抗癌化学療法にも積極的に取り組んでいる。国内主要学会でのオリジナル・データの発表機会が多くなっているが、まだ論文発表まで至っていないのが実情である。

中澤 速和

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東京女子医科大学東医療センター泌尿器科 2010年度の目標

荒川、足立地域の拠点病院として泌尿器疾患の啓蒙、広報活動に関しては従来通り行う予定である。より専門性の高い診療をめざし、疾患の選択と集中を行う予定である。2010年には申請中の骨盤底機能診療部が発足し、巴講師が部長となり広く排尿機能関係の臨床と研究を行う予定である。腎腫瘍に対する腎機能温存と腹腔鏡手術に関しては今後も症例を重ね、良質な医療を提供するとともに研修教育を充実させ腹腔鏡手術認定医の養成に貢献したい。研修という点では今後、前立腺肥大症の手術症例を更に増加させTURのみならず多様な手術法を習得できるシステムを構築したい。2009年の目標として達成できなかった、外来診療体制の整備は2010年の課題として残っている。スタッフはそろってきたが外来ブースや設備の関係で足踏みしている。実現可能なものとして日暮里クリニックの専門外来化が検討されている。日暮里クリニックではPSA検査も即日結果がわかるようになり、今後、定期的なTRUSが行えるようになれば前立腺検診や前立腺専門外来を立ち上げる予定である。併せて男性機能外来も視野にいれて検討したい。

診療実績の目標は2009年の水準を下回らないことである。初期研修医が5カ月選択で研修に来る予定なので、後期研修医の研修カリキュラムも含め研究教育体制を整備し,更なる充実を図る。例年の課題であるがスタッフの負担の軽減に取り組み、各人の研究日を確保し,研究発表,論文作成などの研究活動を奨励したい。

中澤 速和

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