東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 設立趣意書会則
東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 The Society of Urological Disease at Tokyo Women's Medical University
■ 2013年度年報
ホーム1.はじめに2.医局構成・新入局員紹介3.東京女子医科大学腎センター泌尿器科および関連病院入院・外来・手術統計4.東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2014年度の目標5.関連および協力施設 活動報告・2014年度の目標6.業績目録7.あとがき

1. はじめに

はじめに

東京女子医科大泌尿器科は開講50周年を迎え記念講演会を開催することができました。全国から多数のOB、OGはじめ各大学の教授の先生方も参加していただき盛大な会を行うことができました。会は若い医局員が多く、和やかな雰囲気の中に行われましたが、私は、ご出席いただいたたくさんの来賓の先生方を前にして、これまで以上に医局の発展に向けてたゆまない努力をしなければという思いを新たにしました。

現在、医局員の人数はついに100名を超え、まさに大所帯という言葉がぴったりのグループになりました。また、成長した中堅スタッフが次第に新しい他施設のポジションに着くことも次第に増えてきています。本年は、野崎先生が順天堂大学泌尿器科での腎移植立ち上げを目的として准教授として赴任することとなりました。他大学から教員として迎えられるのは私が就任以来初めてとなります。これも野崎先生の頑張り、手術のうまさ、立派な業績によるものです。また、鈴木真理先生が国立成育医療センターに小児泌尿器科スタッフとして赴任することとなりました。鈴木先生は小児泌尿器科医としては少数派である腹腔鏡技術認定医を持っており本院でも副腎腫瘍の腹腔鏡手術を行ってもらっていましたが、成育医療センターではこの技術を生かして新しい分野を切り開いていってくれるものと大いに期待しています。今後とも女子医大泌尿器科でこのような立派な人材が育成され、日本の泌尿器科を引っ張るような人材が巣だってくれるようになるのは本当に嬉しいことです。

人材の交流、流動性もこれまでになく大きな流れとなりつつあります。昨年は乾先生が香川大学から移動され本院での研修を経て八千代医療センターの泌尿器科部長として赴任し、本年7月からはいよいよ腎移植がスタートすることとなりました。さらに、昨年の清水先生の戸田中央病院への移動に伴い腎移植中堅スタッフの強化のため大阪大学より奥見先生が赴任されました。このようなスタッフの外部から招聘は今後とも続くことになると思いまが、このような流動性により新たな外部の血が女子医大泌尿器科に注入されることによりより活発な、より強力なグループが出来上がってくるものと考えています。僕は、医局員の先生方が自分たちの枠だけにとらわれず、自由に人材交流するなかで鍛えられ、刺激を受けグループ全体が活性化することを強く望んでいます。

一方、去年も触れましたが、ダビンチ手術はますます増加の一途を辿りつつあり、本院では毎週2件の前立腺がん手術、1−2件の腎部分切除術の導入が行われています。本年は腎部分切除の半数以上がロボット手術となる可能性も考えられます。さらに、常磐病院ではすでにロボット手術が100例を超え毎週2件前後の症例が行われています。戸田中央病院でも毎週2件前後のロボット手術が行われており、各施設のスタッフがロボット手術の修練を行っておりすでに独立してロボット手術が行える術者は6−7名になっています。今、参加しているEAUではほとんどの手術がロボットで行われている現状が報告されており、ダビンチは重要な研修項目にする必要性があることを改めて痛感しています。当科では、昨年からの懸案であった後期研修医によるダビンチトレーニングが、常磐病院の協力のもと福島労災、常磐病院に派遣された後期研修医を手始めに本格的に始まりつつあります。

研究に関しては、今年はいよいよ研究室が巴寮の仮の研究室から本部棟へと移動することになっており研究環境もさらに向上することが期待されます。大学院生も10名近くになりさまざまな研究が進んでいます。今年は移植関連のみでなく腫瘍関連でもいくつかのプロジェクトが進んでおり成果が大いに期待されるところです。
現在、長い目で見た後期研修医の質の向上、最近問題となっている研究マインドの育成を目指して後期研修の過程に1年前後の研究室配属を義務化する案も浮上しています。私は、研修の過程で一時期きちんとした基礎研究に取り組むことはその後の長い臨床医生活に非常に大きな意味があると確信しており何とか基礎研究室配属を推し進めていきたいと考えています。
これからも、特に留学を視野に入れている若い先生方は積極的に大学院に進み研究を行なうようにしてください。研究歴が留学の必須要件として求められています。

今年もまた、更なる飛躍を期して、医教員の皆さんと、革新的、かつ大胆な試みに挑戦していきたいと思っています。皆さん前を向いて一緒に進みましょう。

2014年4月 EAUの行われているストックホルムにて
田邉一成


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