東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 設立趣意書会則
東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 The Society of Urological Disease at Tokyo Women's Medical University
■ 2006年度年報
ホーム1.はじめに2.医局構成・新入局員紹介3.東京女子医科大学腎センターおよび関連病院入院・外来・手術統計4.東京女子医科大学泌尿器科学教室活動報告・2007年度目標5.関連および協力施設と活動報告・2007年度目標6.業績目録7.あとがき

7. あとがき

あとがき

昨年に引き続き2回目のあとがきを書かせていただきます。東間教室のあとを継いで、圧倒的な支持を持って田邉教室が2006年4月に登場しました。昨年の年報でも、組織運営に大事であることは組織が変化していくこと、と記しましたように、東京女子医大泌尿器科学講座はこの1年間で目覚しい変革を遂げました。 1、病棟医長を頂点とした入院患者の把握の統一化と責任所在の明確化、 2、カンファレンスによる治療方針の明確化、 3、社会のニーズにあった前立腺腫瘍センターおよび女性泌尿器科センターの確立、 4、Urology Forumなど後期研修医の専門医制度への教育対策、 5、臨床研究プロトコールの積極的な導入、などです。
2007年度も2名の新入医局員を無事迎えることができ、マンパワーとしてもゆっくりではありますが着実に医局員の数は増員し今後も続いていくことが予想されます。新たに入ってきた医局員にとってマンネリ化した医局にならないように努力し、仕事での努力がきちんと還元されるようなシステム作りが重要であると考えています。
今も昔も、最も医局内で問題となっていることは残業の多さでしょうか? 現在の通常国会での法案は見送られましたが、ホワイトカラーエグゼンプションはある程度は医療業界にも導入されるべきではないかと私的には考えています。医師という人の命を預かるという特殊な業務内容はもっとも本法案が導入されにくい法律であることは確かです。が、一組織として如何に業務をスムーズに効率よく行っていくかということは常に考えるべきであり、今までのように1分1秒でも長く病院にいることがさも美徳であるかのごとく考えられている誤解は解いていかなければなりません。大学病院による高度医療の提供という需要な任務は忘れられつつあるような気がします。大学病院を本来あるべき姿に戻すには、 (1)合併症のない手術を少しずつ毎日行うことによって医師にとって過酷な勤務状態を作り出さないこと、 (2)優れた技術を駆使し合併症を作らないことで患者の入院日数を減らし回転よく少ない病床数で病棟を管理すること(人件費の軽減にもつながる)、 (3)大学病院急性期病床へは終末期患者は受け入れないこと(ホスピスなどを有効に使う方が患者さんは楽です)、 (4)手術後の管理を他科の医師の協力も得て有効に行うこと、 (5)外科医の技術料としてのインセンティブを要求すること、などでしょうか?
しかし、特に最後のインセンティブにたどり着くには内科医とは異なった特殊な技量を会得することが不可欠であり、それには緻密な教育システムにのっとった研修医教育を施しそれに耐え抜いた医師こそが得られる特権であります。2006年度から開始したUrology Forumはそのほんの取っ掛かりであると考えてくだされば幸甚です。女子医大泌尿器科をこのようなインセンティブの持てる特殊な医療集団となるべく育成できればすばらしいと思います。
石田 英樹

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