東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 設立趣意書会則
東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 The Society of Urological Disease at Tokyo Women's Medical University
■ 2017年度年報
ホーム1.はじめに2.医局構成・新入局員紹介3.東京女子医科大学腎センター泌尿器科および関連病院入院・外来・手術統計4.東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2018年度の目標5.関連および協力施設 活動報告・2018年度の目標6.業績目録7.あとがき

1. はじめに

巻頭言

昨年はいくつかの大きなニュースがありました。近藤先生の東医療センター泌尿器科教授就任(1月)石田先生の移植管理科教授就任(11月)、乾先生の八千代医療センターの臨床教授就任(11月)、研究室の立ち上げに頑張ってもらった時田先生の新潟大学特任教授の就任(11月)です。同門から4名の教授が誕生してかつてない快挙です!!ご本人たちの努力はもちろんですが、医局員一体となった臨床、基礎研究、論文執筆が力となっているのは明らかです。これらの快挙を医局全体の努力の結果として皆さんにご報告できることを本当に嬉しく思っております。

さて、東京女子医科大学泌尿器科診療は、これまでにも増してさらに大きな伸びを見せています。腎移植は週3件から4件体制となりました。ロボット支援下腎部分切除手術が週5-6件、ロボット支援下前立腺全摘出術が週2-3件と症例数を増加させ、2017年の年間のロボット手術は325例で、日本一になったと報道されました。特に腎癌は年間220例とダントツの日本一となりました!

この4月からは外科系の12疾患、泌尿器科では膀胱癌がダビンチ手術の保険適応となり、ダビンチ手術の急増が予想され、本院ではXi2台、Si1台の日本で一番多い3台体制となります。八千代、東にそれぞれSiが1台あり、戸田中央病院、常磐病院にそれぞれ1台と泌尿器科チーム全体で7台のダビンチが稼働していることになります。すでに後期研修医がダビンチ手術の術者としてトレーニングを受け完遂できるまでになっており、ますますロボット手術の割合が増えています。膀胱がんについては、本院ではすでに4月から多数の症例を行う予定になっており4月いっぱいでの施設認定の取得を考えています。今回のEAUでは多くの施設で腎移植をダビンチで行うようになっており本院でも今年中にダビンチでの腎移植を開始したいと考えています。そのほかの腹腔鏡手術も次回の保険改定ではほとんどの腹腔鏡手術がロボットの保険適応となる可能性もあり、症例を選びながら保険適応外でも患者さんへのメリットが大きいと判断される場合は適応の拡大をかんがえています。

東医療センターは足立区への2021年の移転が決まり基本設計も進み、具体的な条件も決ってきました。総病床数は450ベッドとなり、地域のがん診療拠点、災害対応拠点、小児・周産期医療拠点、救命救急診療拠点としての役割が期待されております。昨年もご報告しました通り近藤教授が昨年1月に赴任して以来症例数が激増しており近いうちに大幅な増員が必要となるものとかんがえられています。

八千代医療センターも昨年、増床され501ベッドとなり、ユニット系の新設などもあり大きく発展しています。ダビンチも現在週1-2件の手術が行われています。また、腎移植症例も増加傾向であり、月2例の腎移植をコンスタントに行うようになっています。また、千葉地区の大きな移植施設が移植を止めたこともあり症例は今後とも増加していくものと思われます。

研究面では、昨年赴任された雑賀先生(理学博士)が中心となり、石井医師はじめ多数の大学院生がしっかりと研究を進めておりそれらの成果は一流の英文雑誌に多数採用されております。また、京大の大学院にでている2名の大学院生のうち、両坂先生は京大のiPS研究所に残留することが決まりましたが、これも良いことであると思います。ぜひ基礎研究で頑張ってもらいたいと思います。

本院では医療者、とくに医師の働き方を変える労務改善のための大改革が予定されています。合同当直による当直回数の大幅な減少、当直明けの勤務フリー、代休取得は4月から内科外科合わせて14診療科で行われるようになり、ほとんどの診療科で宅直となります。4月からはネームカードにICタグがつけられ出退勤管理が厳重に行われ労務管理の厳格化が実行されています。4月からは、超過勤務ゼロを目指した大改革を計画しています。

最後に、昨年同様、院長としての激務を行いつつ、何とか週2回の外来、週3-5件の手術、いろいろなジャーナルの査読、学会準備などを行うことができているのは泌尿器科のスタッフの先生方はじめ泌尿器科チームの献身的な助力があってのことと心から感謝しています。

今年も更なる飛躍を期して、医局員の皆さんとともに、革新的、野心的な試みに挑戦し、「至誠と愛」の理念のもと大きく飛躍していきたいと思います。

2018年3月 タンザニアからの帰国の機中にて
田邉一成


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