東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 設立趣意書会則
東京女子医科大学泌尿器科 腎泌尿器癌研究会 The Society of Urological Disease at Tokyo Women's Medical University
■ 2022年度年報
ホーム1.はじめに2.医局構成・新入局員紹介3.東京女子医科大学腎センター泌尿器科および関連病院入院・外来・手術統計4.東京女子医科大学泌尿器科学教室 活動報告・2023年度の目標5.関連および協力施設 活動報告・2023年度の目標6.業績目録7.あとがき

1. はじめに

巻頭言

コロナ感染症、ウクライナ騒動、物価高、暗い話題を挙げればキリがありませんが、2022年度も耐える日々が続いおりました。しかし、サッカーW杯での長友選手の言葉を借りると、逆境でこそのポジティブ思考が大切だと考えております。このような時こそ、さまざまなアイデアを生み出して、新規研究、新規手術、新たな働き方を模索していきたいと考えております。

2022年度を振り返りますと、臨床については2021年度を底として徐々に回復基調にあります。腎癌手術については351例(前年比+26例)、前立腺癌全摘は74例(前年比13例)であり、ロボット支援手術総数411例は前年比+62例と大幅に増加しております。ロボット支援腎盂形成を本格的に開始したことと、2022年4月より根治的腎摘除、副腎摘除、腎尿管全摘でのロボット支援手術が保険承認されたことに起因しております。ロボット支援手術数は、泌尿器科のみならず、全ての診療科で全国No1の数だと思います。2023度は女性泌尿器関連のロボット支援手術を開始いたします。国内No1のロボット手術センター病院としての役割を果たして参りたいと考えております。

腎移植関連では、コロナクラスターでの病棟閉鎖などで、予定手術の中止を余儀なくされる時期が複数回ありました。症例数ではやや減少しておりますが、献腎移植はコロナ環境に少しずつ慣れてきた影響か増加傾向にあります。献腎移植は未だに、移植医がharvest場所に赴き、採取し、臓器運搬し、移植するなど、提供される病院の移植医の負担が非常に大きい状況です。慢性的な人手不足に悩まされている移植施行施設にとっては大きな課題と思われます。一般社会ではコロナ禍を境に多くの業務が効率化されつつあります。移植医療においても、そのあたりをしっかりと考えていかないと移植医療そのものが崩壊しかねないと危惧しております。

研究につきましては、移植は平井先生、石井先生を中心に、腫瘍は福田先生を中心に活動していただいております。原著論文数約40編と昨年同様、高いパフォーマンスを示しております。製薬会社からの研究資金はほぼない状況でありますが、公的研究費の獲得も徐々に増加しております。さらに、腎泌尿器癌研究会への皆様からの支援に支えられている部分が非常に高い状況です。今後ともご支援のほど、何卒よろしくお願いいたします。

さて、2023年度ですが、新たに6名の医師を泌尿器科に迎えております。中山貴之先生(埼玉医科大学総合医療センターから2023年1月より)、松下純先生(関西医科大学からフェローとして)、後期研修医として葛山七花先生、立木綾音先生、中里彰先生、移植管理科には大木里花子先生(東京大学腎臓内科)です。泌尿器科責任者として3年目となりますが、人材育成の重要性を痛感しております。研究・臨床にて多くの場所、施設に貢献したいと考えておりますが、人材不足で十分ではない状況です。大切に育てて参りたいと思いますので、関連施設の皆様、御協力の程何卒よろしくお願いいたします。

2023年2月24日
高木敏男


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