当院の理念は地域社会に信頼される病院としての心温まる医療と急性期・高機能・先進医療との調和であります。
人事面では令和6年4月より坂本先生が着任されました。3年ぶりの八千代ですが、立派な指導医となられて戻ってきていただき、非常に助かっております。また、令和6年9月末で久保田先生が戸田中央総合病院に異動となり、交代で令和6年10月より植松先生が本院よりお越しになりました。後期研修1年目ながら早速、手術、病棟、外来さらに外科当直など多方面で頑張ってくれております。まだ半年も経過していませんが、山下先生、坂本先生の熱血指導のもと、その才能が今にも開花せんばかりであります。
病院の体制は引き続き心許ないですが、泌尿器科では以前と変わらず診療を継続できております。手術日はスタッフ全員で手術に入り、その合間に飛び込みの外来や院内コンサルト、病棟対応、カンファレンスなどこなしております。腎移植は年間25〜30件のペースで推移しており、昨年4月にはようやく累計200症例を突破しました。山下先生、坂本先生が主にレシピエント手術を担当し、ドナーは戸田から八木澤先生の応援をいただいております。献腎移植は昨年、移植に至ったのは1件だけでしたが、ドナー情報は増えており、毎回ざわついております。昨年は県内でドナー発生のため、当院から摘出医を派遣することになり、山下先生にドナー臓器摘出に参加してもらい、心強かったです。個人的には久しぶりにノンストップで摘出→移植で疲れました。院内の臓器提供体制の整備も引き続き進めており、昨年も10月の臓器提供推進月間にはグリーライトアッププロジェクトに参加し、ライトアップを行いました。現在当院には2名の院内ドナーコーディネーターがいますが、来年度には3名になる予定で、院内での脳死判定シミュレーションや移植医療講演会も開催を予定しています。ダヴィンチは近隣施設にも続々と導入されており、津田沼医院(梶本先生、ありがとうございます)以外からの紹介はほとんどなくなりましたが、特に症例数が減ったわけではなく(増えてもないのですが。。。)RARPは坂本先生の指導のもと若手が主に執刀しており、指導医は引き続き目が離せません。筋層浸潤性膀胱がんの患者は比較的多く、インオペの症例も多いものの、RARCも月1程度はあり、こちらもRARPをある程度やれる若手の先生には執刀機会を与えています。また当院ではコンソール時間の短縮と若手教育の観点から尿路変更は6cmの小切開でのECUDで実施し、若手の先生の執刀機会としています。教育面では毎月病理カンファレンス、画像診断カンファレンスを開催しており、後期研修医の先生には専門医試験に向けて病理所見や画像診断のポイントなどについても病理診断部、放射線科の先生からご指導をいただいております。また、手術手技の精度を上げるために、積極的にドライ/ウエットラボでのトレーニングを推奨しており、今年も企画し、指導していきたいと思います。研究面では山下先生が尿路感染症の研究を開始しておりその成果が期待されるところです。前立腺がん、腎移植の多施設共同研究にも参加しておりますが、当院発信の臨床研究も少しずつ準備をしていきます。
私事ですが、昨年9月で還暦を迎えました。還暦パーティーには院内スタッフやかつて一緒に働いてくれた先生たちも駆けつけてくれました。改めて御礼申し上げます。ここらで褌を締め直して、残りの任期を頑張って、後任に引き継ぎができれば良いなと思っています。今年も八千代医療センターをよろしくお願いします。
八千代医療センター 乾 政志、山下かおり、坂本鉄志、始関貴大、植松宏尚
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